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IIJと地域DX 長野県松本市 全ての子どもたちがともに遊び・学ぶインクルーシブな環境の実現

IIJ.news Vol.189 August 2025

専門職による支援が必要な子どもが増えている。
以下では「IIJ電子@連絡帳サービス」を導入して、教育現場の課題解決に取り組んでいる、長野県松本市を紹介する。

教育現場におけるデリケートな課題

長野県松本市は古くから学びを大切にしてきた地域ですが、近年では全国の自治体と同様に、不登校児童・生徒や特別支援学級の増加など、教育現場において、さまざまな課題が生じています。

  • 不登校児童・生徒や特別支援学級が増加し、支援対象の拡大に応じた体制整備が求められていた。
  • 支援には、教育・福祉・医療など多分野の専門家の連携が不可欠であり、縦割り行政の弊害を乗り越えた、切れ目のない体制が必要。
  • 松本市の組織は規模が大きく、医療機関も多いため、組織間での連携が途切れやすいという構造的課題があった。
  • ライフステージごとに支援者が変わり、情報が引き継がれにくい。
  • 個人情報を取り扱うため、異なる組織・事業者間での情報共有がむずかしかった。
  • 既存の仕組みは紙ベースであったため、使い勝手が悪く、保護者による記録や支援者間の情報共有が十分でなかった。

課題解決に向けた取り組みと電子@連絡帳の導入効果

松本市ではこうした課題に、平成22年度から「アルプキッズ支援事業」として取り組んできましたが、この10年余りの実践を踏まえながら不足部分を強化し、令和6年4月に「松本市インクルーシブセンター」を開設しました。そしてセンター開設に合わせて「IIJ電子@連絡帳サービス」(以下、電子@連絡帳)を導入しました。

インクルーシブセンターでは、要支援者に対する相談や早期支援につなげるためのアセスメントを実施しています。また、保育所や学校などにおける発達障がい児の自立支援やインクルーシブな教育環境の整備なども行なっています。

同センターに所属する保健師・作業療法士・保育士・臨床心理士・医者などの職員は、電子@連絡帳を活用して、地元で子どもたちをサポートしている保健・医療・福祉・子育て・教育などの各専門職と、子どもたちの発育・発達状態、幼保施設や学校での学びなどに関する情報を共有・連携しています。

ICTを活用して情報共有を図ることで、複数の専門職による対応、個々の子どもに応じた迅速な支援体制づくり、学習障がいの早期発見、保護者との情報共有、さらにはライフステージや支援者の交替に際したスムーズな引き継ぎなどを可能にし、乳幼児期から高校卒業まで切れ目なく支援することを目指しています。

市や医療機関などの規模に起因して組織間の連携が途切れやすいという構造的な課題に対しても、センター内外の関係者が情報共有を行なえる電子@連絡帳を活用することで解決が期待されています。

最近では、不登校などに関する相談が増加しています。インクルーシブセンターの前身となるアルプキッズ支援事業では、おもに就学前の支援が充実した一方、児童・生徒に対する支援は思うように進まなかったなどの課題がありましたが、センター設置を機に、電子@連絡帳を使った支援者間の連携を活性化させながら、体制の強化に取り組んでいます。

松本市は、電子@連絡帳を活用した支援ネットワークを「まつもとふたばネットワーク」と名づけて、全ての子どもたちがともに遊び・学ぶインクルーシブな環境の実現に努めています。

IIJ電子@連絡帳サービスを活用した子ども支援

本記事は、2024年の「全国IIJ電子@連絡帳推進会議(地域サミット)」における松本市の発表およびIIJのプレスリリースを再編集しています。記事内の名称やデータなどは当時のものです。


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